2019年11月17日、鎌倉市で「ひきこもり」をテーマにお話しました。

 

診療では患者と医師が診察室にこもって個別に極私的な事実をめぐっていくらでも話せるのでスムーズに治療が進められます。公開レクチュアでは、一般的な総論を進めながら、参加者個人の、とくに「ひきこもる若者」の心と通じる必要があるので、とくべつな工夫と技術を要します。

 

先日のレクチュアでは、「真の意味でのひきこもりの若者」が積極的に参加してくれて、遊方之外の話を真剣に聞き入って、確実な希望を感じとってくれたことは大成功と評価してもよいのでしょう。また、さまざまな人生上の困難に遭遇している人々に治療をほどこす現場の様子を、ほかの参加者のみなさんにご覧いただけたことは大きな成果とうけとめています。

 

反省点としては、若者が自分の成長のために「自律神経バイオフィードバック法」をもっと知りたいと質問してくれたのに、私がちゃんと準備をととのえていなかったことです。ずっと高齢者の治療ばかりにむきあってきたので、若者にむきあう準備がおろそかになっていました。

 

しかし、焦る必要はありません。若者たちには、じゅうぶんな時間があります。時間をかけて成長してゆければよいのです。すくなくとも、ここに若者の成長に必要なすべての医学的知識と経験を有する医師が存在するとわかるだけでもよいのです。あとは、ゆっくりと時間をかけて、その医師と進んでゆけばよいのです。人生が真に華ひらくのは50歳を過ぎてからです。50歳以前に、人生の収穫を感じようなんて、性急すぎるのです。若いうちに性急に快楽や収穫を高望みしてしまうと、MDMAなどに頼ってしまうことになります。いったんMDMAなどに手を出すと、脳が劣化してしまい、そこから回復するのは至難の業です。私は依存症の専門治療病棟に出入りしていましたから、その治療の難しさはじゅうぶん知りぬいています。その苦境から抜け出すのに「自律神経バイオフィードバック法」が確実です。自分で自分の脳を回復させる生理的技術です。自分の脳は自分でしか治せません。TMS(経頭蓋磁気刺激)などの治療もでてきましたが、けっきょくは自分で脳を変えないかぎりは、再発してしまうでしょう。

 

先日は、必要以上に、私の人生や生き方について、深入りしてしまった感もあります。けれども、ようやく私も自分の人生を堂々と語れるようになったということでしょう。公開の場で、セックスについて堂々と語れることがどれほど健全なことか。今後は「婚活」と「セックス」の問題や、「お金」と「貧困」の問題も、テーマになるでしょう。

 

最後に。レクチュアの場で、私の「体内年齢」が、昨年は34歳、今年は30歳になった、とお伝えしましたが、誤りでした。昨年の体内年齢は40歳だったのが、今年は30歳と計測されたのです。食事内容をがらりと変えたり、心拍数をモニタリングしながらランニングすることを始めたことが、奏功したようです。それでも、まだまだ改善点は残っています。来年は20代に突入する可能性がじゅうぶんあります。自分の実年齢の半分くらいになることはじゅうぶん可能性があるのです。みなさんにもその可能性はじゅうぶんあります。それでは、お互いにしっかりやっていきましょう(ゆふ しこを)